役員退職慰労金規程の必要性
資金準備さえあれば、たくさん役員退職慰労金が支払われるに越したことはありませんが、会社側から見ると「退職金」のすべてが損金算入が認められるわけではなく、「過大でない限り」という条件があります。そして、「過大」かどうかは、「役員退職慰労金規程」の有無によっても判定されます。
また、役員退職慰労金を滞りなく支払うためにも、「役員退職慰労金規程」の整備が必要です。

INDEX
役員退職慰労金の支給の流れ
役員退職慰労金は、定款の規定または株主総会の決議によって支給額を決める必要がある、と会社法で定められています。
しかし、定款で規定している会社は少なく、ほとんどの会社では株主総会の決議によって決定しています。
つまり、役員退職慰労金の支給には、株主総会において決議する(=出席した株主の議決権の過半数の賛成を得る)、という「手続き」が必要なのです。
では、実際に株主総会での決議によって役員退職慰労金が支給されるまでの手続きの流れを確認しましょう。
まず、支給額の決定方法には、次の2つのパターンがあります。
- ① 株主総会で具体的に役員退職慰労金の支給について決定する方法
- ② 役員退職慰労金規程を作成し、開示・閲覧して株主に周知したうえで、株主総会で「支給に関する具体的なことは取締役会に一任する」決議を行う方法


- ※1 上程とは、株主総会に諮る議案を取締役会で決めることを言います。
役員退職慰労金規程が必要な理由
適正な水準(支払の根拠、計算の根拠)を明確にするため
過大に役員退職慰労金を支払うと適正な額を超えた分については損金算入が認められないため、「支払った役員退職慰労金額が適正であること」の根拠として、支払の根拠や算定基準を明確にする必要があります。
株主の理解・納得を得るため(株主総会決議の円滑化)
役員退職慰労金を支払うには、上記のように株主総会の決議が必要ですから、役員退職金規程を整備して株主の理解・納得を得る必要があります。
確実に役員退職慰労金を支払うため
役員退職慰労金の準備に会社契約の生命保険を活用した場合、その財源となる保険金や解約返戻金を一旦会社が受け取り支払うことになりますが、「保険金・解約返戻金は、本来、会社側としては何に使っても構わないお金」です。
したがって、保険金や解約返戻金などを他の用途へ流用することを防止する必要があります。

役員退職慰労金規程の有無


役員退職金慰労規程を明文化して整備している会社は約1/3(35.7%)となっています。
当Webサイトに記載の法令・税務・制度などは2024年2月現在のものです。
改正などにより変更となった場合には、変更後の内容が適用されますのでご注意ください。
また、個別のお取扱いについては、税理士などの専門家または所轄の税務署などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。
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