がん保険に入っておけばよかったと後悔しないためには?必要な理由などを解説

がん保険への加入を検討しているものの、本当に必要なのか判断に迷っている人も多いのではないでしょうか。がんの治療には高額の費用がかかります。いざという時に「がん保険に入っておけばよかった」と後悔しないために、がん保険が必要な理由や、がん保険の主な保障内容について解説します。
INDEX
がん保険に入っておけばよかったと後悔する3つのパターン
がん保険は、がん治療の保障に特化した保険で、がんにかかった時の経済的な支えとなります。では、どのような場合に「がん保険に入っておけばよかった」と後悔することが多いのか、具体的な例を見てみましょう。
がんに罹患して月々の経済的負担が大きくなった時
詳しくは後述しますが、一般的にがんの治療は高額の費用がかかります。公的医療保険が適用される部分はあるものの、先進医療の技術料や入院時の差額ベッド代(個室料金)などは全額自己負担です。また、治療のための交通費や医療用ウィッグなど、思わぬところで出費が重なり、想像以上に家計を圧迫します。
さらに、がんは転移や再発によって治療が長期化することもあります。治療が長引くと、医療費の支出が増えるうえに、収入にも影響が出て、日々の生活が苦しくなる可能性があります。
がんに罹患してライフプランを変更せざるを得ない時
貯蓄がそれなりにあれば、がんにかかったとしても当面の生活は維持できるかもしれません。しかし、高額な医療費にあてたり、収入減を補ったりすることで、将来のためのお金を使ってしまう可能性があります。
その場合、マイホームの購入をあきらめたり、子どもの進学先を変更したりと、その後の人生設計の見直しを余儀なくされます。将来の選択肢が狭まってしまい、保険で備えておけばよかったと後悔することもあるでしょう。
年齢や健康状態によって加入が制限された時
がん保険は一般的に、加入時の年齢が高いほど月々の保険料が高くなる傾向があります。そのため、いざ保険に加入しようと考えた時に、保険料の負担が大きくなってしまうため、若いうちに入っておけばよかったと後悔する場合があるのです。
また、がん保険に加入する時には、健康状態に関する告知が必要です。過去の病歴や持病などの内容によっては、加入できないこともあります。
がん保険が必要とされる理由3選
公益財団法人生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、2022年のがん保険・がん特約の加入率は39.1%です。特に、40代~50代の加入率が高く、約5割となっています(*1)。
がん保険が必要とされる理由として、主に以下の3つを挙げることができます。
医療費が高額になる可能性がある
まずは何といっても、がんにかかると医療費が高額になる可能性が高いことです。では、実際にどのくらいの医療費がかかるのでしょうか。
厚生労働省の「医療給付実態調査(令和4年度)」によると、がんによる入院および入院外(外来など)の医療費の平均は、下表のとおりとなっています(*2)。
〈表〉がん治療にかかる医療費の目安
がん種別 | 入院 | 入院外 |
---|---|---|
胃がん | 約69万円 | 約5万円 |
大腸がん | 約72万円 | 約5万円 |
肺がん | 約73万円 | 約11万円 |
乳がん | 約62万円 | 約6万円 |
白血病 | 約183万円 | 約10万円 |
- ※厚生労働省「医療給付実態調査(令和4年度)」第3表(*2)をもとに算出
なお、これは公的医療保険が適用される前の金額であり、実際の自己負担は原則3割となります。さらに、高額療養費制度を利用すれば、自己負担をより軽減することができます。
ただし、がん治療では、先進医療など公的医療保険が適用されない治療を視野に入れることも多く、その場合は全額自己負担となり医療費は大きく膨らみます。また、治療が長期化すれば、そのぶん医療費の負担も大きくなります。
参考資料
- *2)厚生労働省「医療給付実態調査(令和4年度)」
がんは誰しもかかるリスクがある
がんといっても、若いうちは自分事としてとらえることができないかもしれません。しかし、がんは誰もがかかるリスクのある身近な病気です。
国立がん研究センターがん情報サービスの「がん統計」によると、日本人が一生のうちにがんに罹患する確率は男性62.1%、女性48.9%で、2人に1人ががんにかかるとされています(*3)。また、厚生労働省の「令和5年(2023)人口動態統計(確定数)の概況」によると、がんは日本国内の死因第1位で、その割合は24.3%となっています(*4)。
参考資料
- *3)国立がん研究センターがん情報サービス「最新がん統計」
- *4)厚生労働省「令和5年(2023)人口動態統計(確定数)の概況」
医療保険だけでは不十分な場合がある
一般的な医療保険に入っていれば大丈夫なのでは?と考える人もいるかもしれません。確かに、一般的な医療保険でもがんは保障されます。しかし、がんの治療は長期化する可能性が高いほか、医療費も高額になりがちなので、一般的な医療保険の保障では不十分な場合があります。
たとえば、一般的な医療保険は入院給付金の支払日数に制限がありますが、がん保険は制限なく受け取れることがほとんどで、治療の長期化に備えられます。
また、一般的な医療保険は入院や手術をしないと給付金を受け取れないことが多いのですが、がん保険はがんと診断された段階でまとまったお金を受け取れるため、安心して治療に専念できます。
がん保険の主な保障内容
がん保険を実際に検討する際には、保障内容をしっかりと把握しておくことが大切です。ここからは、がん保険の主な保障内容を紹介します。
- ※給付金の名称や保障内容の詳細は保険会社によって異なるため、事前に確認するようにしましょう。
診断給付金
診断給付金とは、がんと診断された時点で支払われる給付金です。初めて診断された時に1回だけ受け取れるタイプと、再発・転移時も複数回受け取れるタイプがあります。使いみちは自由で、治療費にあてることはもちろん、入院費用や当面の生活費としても使えます。
診断給付金の金額は保険商品やプランによって異なりますが、一般的に50万~300万円程度で設定されます。本格的な治療が始まる前にまとまったお金を受け取れることは、経済的にも精神的にも大きな支えとなります。
入院給付金
入院給付金とは、がんの治療で入院した時に、入院日数に応じて受け取ることができる給付金です。1日あたりの入院給付金は、5,000~3万円程度で設定されることが一般的です。
一般的な医療保険は入院給付金の支払日数に制限がありますが、がん保険の入院給付金は制限なく受け取れる場合がほとんどで、入院が長引いた場合でも安心して治療を受けられます。
手術給付金
手術給付金とは、がんの治療で手術を受けた時に、受け取ることができる給付金です。手術の種類に応じて入院給付金日額の10倍・20倍・40倍などの給付金が受け取れるタイプと、手術の種類にかかわらず所定の金額が受け取れるタイプがあります。一般的に、支払われる回数に制限はありません。
通院給付金
通院給付金とは、がんの治療で通院した時に、通院日数に応じて受け取ることができる給付金です。退院後の一定期間の通院を保障するタイプ、入院前の通院も保障するタイプ、入院をともなわない通院も保障するタイプなど、商品によって支払条件は異なります。
がんの治療法というと、以前は入院して手術が中心でしたが、近年は通院による放射線治療や抗がん剤治療が増えています。これにともない、通院給付金の内容も変わってきています。
先進医療特約
がん保険に先進医療特約を付加すると、がんの治療で先進医療を受けた時に、給付金を受け取ることができます。一般的に、先進医療にかかる技術料と同額を通算2,000万円まで受け取ることができます。
がんの治療では、陽子線治療や重粒子線治療などの先進医療を受けるケースがありますが、先進医療は公的医療保険が適用されないため、その費用は高額になりがちです。先進医療特約を付けることで、治療の選択肢が広がります。
ちなみに保険会社によっては、患者申出療養や自由診療等も保障する特約がある商品もあります。
がん保険に入っておけばよかったと後悔しやすい人の傾向
がん保険は、誰もが必要な保険というわけではありません。しかし、以下に挙げる事項に心当たりがある人は、「がん保険に入っておけばよかった」と後悔しやすいかもしれません。
喫煙者や生活習慣に問題がある人
がんの発症には様々な要因が関係していますが、喫煙や飲酒、食生活、運動不足などの生活習慣の乱れも、がんにかかるリスクを高めると言われています。
特に喫煙は、肺がんをはじめとする様々ながんの原因となることが明らかになっており、男性のがんの約23.6%、女性のがんの約4.0%は、喫煙が原因と考えられています(*5)。
喫煙者や生活習慣の乱れている人はがんにかかるリスクが高く、「がん保険に入っておけばよかった」と後悔しやすいと言えます。
参考資料
経済的不安が大きい人
がんの治療にはお金がかかりますし、治療が長期化すれば収入減も避けられません。そのため、十分な貯蓄がなかったり、家計を支えていたりする人の場合は、「がん保険に入っておけばよかった」と後悔しやすいでしょう。
また、自営業者やフリーランスは、会社員に比べて公的保障が手薄です。病気で働けなくなった時に会社員なら受けられる収入保障がなく、がん保険などを利用して自分で備えておく必要があります。
がん保険に入っておけばよかったと後悔しないように加入を検討しよう

がん保険は、がんにかかった時の経済的負担を軽減し、安心して治療を受けるための備えとなります。いざという時に「がん保険に入っておけばよかった」と後悔しないように、早めに検討を始めましょう。
がんの治療法や医療環境の変化にともない、がん保険も多様化しています。がん保険を検討する際には、加入の目的を明確にしたうえで、自分のリスクに合った商品を選ぶことが大切です。
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