経営者所有の事業用資産（不動産）の問題点

経営者に万一のことがあった際、後継者自身が相続人でその事業用資産（不動産）を引き継げば問題はないのですが、会社の経営権を確保するために後継者は自社株を引き継ぐことが多くなります。すると、遺産分割の際に「遺留分侵害」を回避するために不動産は後継者以外の相続人が引き継ぐことも考えられ、その際に以下のような問題が生じます。

1. 経営者の死亡により、経営者個人の土地や建物は相続財産として相続人に相続され、相続税の課税対象となります。
2. 相続人が会社の経営に関与しない場合、相続税の納税資金確保等のために不動産を現金化する可能性が高く、会社に対して不動産の買取請求を起こすことが考えられます。
3. 会社は経営者を亡くした直後で資金の余裕がない可能性があり、後継者は引き継いだ直後から、経営困難に直面するおそれがあります。

経営者所有の事業用資産（不動産）の問題点を解消し、その後の会社の窮地を未然に防ぐには、経営者の万一のことがあった際に、その買取資金となる「事業保障資金」を現金で確保する必要があります。したがって、会社契約の生命保険の活用が、最も有効な手段です。
経営者に万一のことがあった際に、会社は死亡保険金を現金で受け取ることができ、不動産買取資金として活用することができます。

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