お客様本位の業務運営方針
東京海上日動あんしん生命(以下、当社)は、「お客様の信頼をあらゆる事業活動の原点におき」、「お客様に最大のご満足を頂ける商品・サービスをお届けし、お客様の暮らしと事業の発展に貢献する」ことを経営理念に掲げています。
また、お客様をはじめとした社会からの要請に応えることをコンプライアンスと捉え、コンプライアンスの徹底は当社の経営理念の実践そのものであるとの認識のもと、事業活動のあらゆる局面において、コンプライアンスの徹底を最優先とすることを宣言しています。
そして、当社は、「お客様の声」を真摯に受け止め、お客様にわかりやすい商品を開発し、ビジネスプロセスを進化させるなど、お客様対応力を向上させるとともに、お客様の声に基づいた業務品質の向上に常に努めてまいります。
このような中、2022年12月23日に公表いたしました当社の元社員が金銭を詐取していた事案につきまして、お客様および関係者の皆様に多大なるご迷惑、ご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。業務品質の改善に向けて、全社一丸となって再発防止策を実行し、全社的なガバナンスの向上を図ることで、お客様の信頼回復に努めてまいります。
さらに、「お客様本位の業務運営方針」に基づいた具体的な取組みを強化し、改めて「お客様本位」の保険事業を徹底してまいります。
開業以来の「お客様本位の生命保険事業」に徹底的に拘り、「保険人【※】」としてお客様に「あんしん」をお届けするために、代理店・取扱者と一体となって努力し続けてまいります。
【※】当社は、「何としてもお客様をお守りする」という社会的使命感や職業意識を持ち、保険業に携わる人(真の保険のプロフェッショナル)を「保険人(ほけんびと)」(当社の造語)と呼んでいます。
運営方針1:お客様の声を活かした業務運営
当社では、「お客様の声対応方針」を定めており、当社の全社員・全募集代理店が「お客様の声」(ご不満、ご要望、ご意見等)を感謝をもって受け止め、最後まで責任をもって対応し、業務品質の向上に活かすことを通じて、より多くの「安心」をお届けいたします。
主な取組内容
◆「お客様の声」を経営に活かす仕組み・態勢
当社では、よりお客様にご満足いただくために、各種アンケート・電話・ホームページなどの方法で、お客様からのご意見・ご不満・ご要望等を承っております。
営業拠点、カスタマーセンターや募集代理店でお受けした「お客様の声」は、「お客様の声活用・提言システム」に入力し、情報の共有化を図っております。担当部署では、「お客様の声」を一元管理し、「お客様の声」の詳細な原因分析により業務品質課題を抽出し、それぞれの課題を担当する本社部門や営業部門に対して改善を促しております。
2024年度より、「お客様の声を起点とした業務改善サイクル」のスピードと質を一層高めるため、経営陣および関係部門で定期的に議論する場を新設し、運用を開始しております。
また、取締役会委員会である業務品質委員会にて「お客様の声」に基づく業務品質課題を抽出して対応策の審議・検討を行い、その実現に向けた進捗管理を行っております。
◆「社外の視点を踏まえた改善」や「お客様アンケート」などの仕組み
お客様や募集代理店からお受けしたご不満等については、会社の視点だけではなく社外の視点で問題点を発見し、改善につなげるため、社外の業務品質アドバイザーとのミーティングを定期的に開催しております。
また、新規加入時などのタイミングでアンケートを実施して、お客様からの評価やご意見をいただいております。
◆「お客様の声」を起点とした取組み
「お客様の声」に基づく改善事項として、商品やサービス等に関して「『お客様の声』に基づき改善した主な具体例」を、当社ホームページやディスクロージャー誌等で公表しております。
運営方針2:保険募集
- 当社は、社会・経済の動向や環境変化を踏まえつつ、お客様のニーズを捉えた生命保険商品・サービスの開発に努めてまいります。
- 当社は、ますます多様化するお客様のご要望にお応えし、お客様やそのご家族をお守りするオーダーメイドのご提案で「あんしん」をお届けしてまいります。
- 当社は、お客様に商品内容等に関する詳細な情報をご提供・ご説明し、正しくご理解いただいたうえで、ご提案内容がお客様のご意向に合致していることをご確認いただく取組みを行ってまいります。
主な取組内容
◆保険商品・サービスの開発
当社は、2012年10月から、高齢化や医療技術の進歩等の環境変化により、従来の「医療保険」や「死亡保険」ではカバーしきれない介護・就業不能・在宅医療等の領域に保障をご提供する「生存保障革命」に取り組んでおります。
また、人生100年時代における社会課題に正面から向き合い、保険会社ができることは何かを真剣に考え、お客様のニーズを捉えた商品開発を行っております。
生命保険にご加入いただいているお客様とそのご家族の皆様に対して、保険金等をお支払いすることによる経済的なサポートを行うだけでなく、お客様のリスクや不安を防止・軽減するサービスや情報をあわせてご提供しております。
◆お客様のご意向等を踏まえた商品提案
当社は、コンサルティング力に優れた募集代理店・直販社員(ライフパートナー)を育成・強化することで、お客様のご意向をしっかりと把握・確認を行い、ライフプランや公的保険制度等を踏まえた商品提案活動を通して、ひとりでも多くのお客様やそのご家族をお守りしたいと考えております。
各種ご提案に際しては、お客様のニーズに合った保険料設計・コンサルティングサービス等を実施しております。当社のコンサルティングツールは、保険料の試算機能に加え、お客様のライフプランをもとに生涯にわたる収支の予測・必要保障額を算出する「あんしんプランニング」等の各種機能を備えております。
また、パンフレットや募集文書等を電子ファイルとして掲載し、お客様のニーズに合わせて即座にご提案ができる様に「Tコンシェル」等の機能も備えております。
変額保険商品等の特定保険契約の販売にあたって、販売を開始する募集人・直販社員(ライフパートナー)には、投資教育全般を含めた研修や当社独自の研修を受講後に販売者登録します。これにより、お客様に対して、当社の基準に則り、事前にリスク等を十分に認識していただいた後に、ご提案することとしております。
なお、ご高齢のお客様、障がいのあるお客様には、お客様の状況に配慮し、ご意向の把握等に関してきめ細やかに対応するよう努めております。
◆契約概要・注意喚起情報等を用いた説明
当社は、お客様に正しく商品内容をご理解いただくために必要な情報を記載した「契約概要」および、特に注意いただきたい情報を記載した「注意喚起情報」をお客様にお渡しするとともに、商品の仕組みや特長をわかりやすく記載した「パンフレット」等をご用意し、お客様のご意向にあわせた保険商品のご提案・ご説明を行っております。
「パンフレット」、「契約概要」および「注意喚起情報」の作成にあたっては、お客様のわかりやすさ・読みやすさの観点から、平易で明確な表現を用いるとともに、商品の仕組みについて図表を活用したり、お客様にとって不利益となる事項等について重要性に応じて強調表示をしたりするなどの工夫により、丁寧な情報提供に努めております。
また、市場リスクを有する変額保険商品等の特定保険契約については、満期保険金、解約返戻金等が変動し、払込保険料の合計額を下まわる場合があるといったリスクや、特定保険契約に関してお客様が負担する費用等を「パンフレット」、「契約概要」および「注意喚起情報」に分かりやすく記載し、お客様が理解を深めていただけるよう努めております。
◆ご高齢のお客様等への募集
当社は、ご高齢のお客様に対し、きめ細やかな取組みを行うことで、お客様にご提案内容を十分にご理解いただいたうえで、ご契約いただくよう努めております。
70歳以上のお客様の場合には、ご親族の同席や複数の募集人によるご説明、複数回の募集機会を設ける等の方法で募集することとしております。また、「マーケットリンク(新変額保険(有期型))」の募集については、70歳以上のお客様の場合には、ご親族の同席および複数回の募集機会等を必ず設けることとしております。
◆契約申込手続きの利便性向上に向けた取組み
お申込みの際には「商品内容を正しくご理解していただく取組み」、「ご提案内容がお客様のご意向に合致していることをご確認いただくための取組み」、「お客様に告知の重要性をご理解いただくための取組み」の3つの取組みを実施しております。この3つの取組みをさらに高いレベルで実施していくために、「あんしん らくらく手続き」(タブレット型端末等を活用したペーパーレス申込み手続き)を導入しております。「あんしん らくらく手続き」ではお客様のお申込内容に合わせて必要な画面が表示され、1画面ごとにしっかりと内容をご確認いただけるようになっております。
また、「あんしん らくらく手続き」同様、お客様に必要な情報をしっかり確認いただきながら、お申込手続きをオンライン(非対面)で完結できる「あんしんリモートらくらく手続き」も導入しております。
◆重要な情報の開示(手数料の明確化等)
変額保険商品等の特定保険契約については、投資信託と同様、市場リスクをお客様が負う特性を有する商品であるため、お客様にご負担いただく費用を開示しております。また、特定保険契約の新契約を銀行等金融機関窓口販売で取り扱う場合は、お客様が投資信託等と比較して商品を選択する要因となるため当社が銀行等に支払う販売手数料を開示します。
運営方針3:アフターフォロー、保険金・給付金のお支払い
当社は、保険金・給付金の支払いは、保険会社の基本的かつ最も重要な責務であることを認識し、常に「お客様本位」の視点から、全てのお客様にご契約内容等をわかりやすくご案内するとともに、正確かつ迅速なお支払いを行ってまいります。
また、ご高齢のお客様等にも漏れなくご請求いただくためのフォロー態勢を構築してまいります。
主な取組内容
◆契約内容の確認、契約内容の変更の利便性向上の取組み
現在の加入内容や保障内容をご確認いただき、保険金・給付金を漏れなくご請求いただくために、最新のご加入内容を記載した「ご契約内容のお知らせ」を毎年1回(変額保険は「ご契約状況のお知らせ」を毎年4回)ご契約者様にお届けしております。また、マイページを開設いただいたお客様には、随時Web上でご契約内容を確認いただけるようにしております。
個人のお客様向けに、当社ホームページやマイページ、ワンタイムお手続き等において各種手続きの更なる利便性向上の取組みを進めてまいります。
◆正確かつ迅速な保険金・給付金のお支払態勢
すべてのご請求に対して漏れのないご案内を行うために、保険金・給付金のご請求時に加え、「ご契約時」「ご契約期間中」においても、お客様に保険金・給付金のご請求についてのご案内を行っております。
ご請求に必要書類を郵送いただかずにWebにて手続きいただく仕組みをご用意し、保険金・給付金をより早くお届けできる態勢を整えております。
正確かつ迅速なお支払いを行うために、事務手続きの簡素化や支払システムの構築を図るとともに、支払査定に必要な専門的な知識を有する人材の育成に取り組んでおります。
◆ご高齢のお客様等にも漏れなくご請求いただくためのフォロー態勢
受取人が請求できない状態にあるとき、あらかじめ指定された「指定代理請求人」が代理で請求できる制度のご案内を「ご契約内容のお知らせ」に掲載しております。いざという時にスムーズに保険金・給付金を支払いできる態勢作りに努めており、ご高齢のお客様を中心に制度を活用いただいております。
また、ご高齢のお客様には「ご高齢のお客さま専用フリーダイヤル」でわかりやすいご案内を、目が不自由なお客様には、音声案内による契約内容証明作成を受け付けております。
耳や言葉が不自由なお客様にもご利用いただける専用窓口:手話・筆談・チャットサービスをホームページにご用意しております。
◆家族連絡先登録制度
家族連絡先登録制度とは、あらかじめご家族の情報を登録いただくことで、ご契約内容をご家族にご案内することができる制度です。
新たに70歳になるご契約者に家族連絡先登録制度のご案内と登録用紙をお送りし、引き続き多くのお客様にご登録いただけるよう努めてまいります。
運営方針4:運営方針の浸透に向けた取組み
当社は、社員・募集代理店・直販社員(ライフパートナー)が、あらゆる業務運営において「お客様本位」で行動することを促進していくために、評価・研修体系を整備し、運営方針の浸透に向けた取組みを引き続き進めてまいります。
主な取組内容
◆運営方針の理解を深める取組み
当社の原点に立ち返り「お客様本位」について論議し、行動に繋げる契機とする場を、毎年全ての部署において設け、運営方針を記載した社員向け「携帯用カード」を配付することにより、全社員が日々「お客様本位の生命保険事業」を意識して行動することを促しております。
また、入社時研修では「お客様本位の業務運営」のパートを設けて論議を行っております。
毎年各部署が計画する「業務品質アクションプラン」にて「『お客様本位の業務運営方針』に関する取組み」を策定して実行することで、お客様本位の生命保険事業を徹底し、業務品質の更なる向上につなげる体制を整えております。
◆募集代理店の支援、直販社員(ライフパートナー)の指導・教育を行う担当者等に対する研修および評価
当社は、募集代理店の支援、直販社員(ライフパートナー)の指導・教育を行う担当者等に対して、高い専門性と強い支援力を発揮できる社員を育成するための研修を行っております。また、知識や専門性の定着に向け、自学自習が可能な動画コンテンツの推進やWebセミナーによるカフェテリア研修を行っております。
お客様本位の生命保険販売を教育する立場の社員として、常に社会やお客様に対する当社の使命を強く意識するよう、使命感・お客様志向等も含めた総合的な評価を行っております。
◆募集代理店・直販社員(ライフパートナー)に対する研修および評価
募集代理店・直販社員(ライフパートナー)が生命保険商品の内容・仕組みの理解を深め、生命保険の必要性やお客様の利益拡大について学ぶ研修等を行うとともに、いつでも内容を復習・確認するための動画コンテンツ等を用意し、定着に努めております。
募集代理店向けに、教育等の教材等を作成・提供し、研修等により、適切な生命保険の募集を行うための支援をしております。
複数の保険会社の保険商品を販売する募集代理店においては、取扱商品の中から、特定の保険会社の商品を選別・推奨して販売する場合、お客様に対して、推奨した商品をどのように選別したのか、その理由を説明する必要がありますので、募集代理店で正しく対応が行われるための支援を行っております。
これら適切な生命保険の募集が行われているかを、各種モニタリングや代理店点検、お客様の声等で確認しております。
お客様本位の生命保険販売を実践し、多くのお客様をお守りした募集代理店・直販社員(ライフパートナー)を業績面から評価するとともに、お客様からお預かりしたご契約を長期に亘ってお守りしている募集代理店・直販社員(ライフパートナー)を評価する体系としております。
運営方針5:利益相反等の管理
当社は、「東京海上グループ 利益相反取引等の管理に関する方針」に則り、役職員一同がこれを遵守することによって、お客様の利益が不当に害されることのないように、利益相反等の管理に努めてまいります。
東京海上グループ 利益相反取引等の管理に関する方針(概要)
当社では、「東京海上グループ 利益相反取引等の管理に関する方針」に則り、お客様の利益が不当に害されることのないように、利益相反取引等の管理に努めています。
1. 利益相反取引等
「利益相反取引等」とは、東京海上グループが行う取引等のうち、以下に掲げるものをいいます。
- (1) お客様の利益と東京海上グループの利益とが相反するおそれのある取引
- (2) お客様の利益が東京海上グループの他のお客様の不利益となるおそれのある取引
- (3) 東京海上グループが保有するお客様に関する情報をお客様の同意を得ないで利用する取引(個人情報保護法または東京海上グループ会社に適用されるその他の法令等の規定に基づく、あらかじめ特定された利用目的に係る取引を除きます。)
- (4) 上記(1)から(3)までに掲げるもののほか、東京海上グループのお客様の保護および東京海上グループの信用維持の観点から特に管理を必要とする取引その他の行為
2. 利益相反取引等の管理の態勢
持株会社である東京海上ホールディングスによる一元的な東京海上グループの利益相反取引等の管理のもと、当社においても、利益相反取引等の管理を統轄する部署を設置するなどの態勢整備を行い、利益相反取引等を適切に管理してまいります。
3. 利益相反取引等の管理の方法
東京海上グループは、利益相反取引等の管理を、以下の方法により実施してまいります。
- (1) 東京海上グループ各社は、利益相反取引等のおそれがある取引等を行おうとする場合には、事前に東京海上ホールディングスに報告することとします。
- (2) 東京海上ホールディングスでは、報告された取引等について、お客様の利益を不当に害するまたは害する可能性があると判断した場合には、以下の方法による措置を講じます。
- ①当該取引を行う部門と当該取引に係るお客様との他の取引を行う部門を分離する方法
- ②当該取引または当該取引に係るお客様との他の取引の条件または方法を変更する方法
- ③当該取引に伴い、当該取引に係るお客様の利益が不当に害されるおそれがあることについて、当該取引に係るお客様に適切に開示する方法
- ④当該取引等に伴い、東京海上ホールディングスおよび東京海上グループ会社が保有するお客様に関する情報を利用することについて、当該お客様との同意を得る方法
- ⑤当該取引等または当該取引に係るお客様との他の取引を中止する方法
- ⑥その他、東京海上ホールディングスが必要かつ適切と認める方法
4. 利益相反取引等の管理態勢の検証
東京海上グループの利益相反取引等の管理態勢の適切性および有効性については、東京海上ホールディングスが定期的に検証してまいります。
主な取組内容
◆「東京海上グループ 利益相反取引等の管理に関する方針」に基づく適正な管理
「東京海上グループ 利益相反取引等の管理に関する方針」に則り、利益相反取引等の管理を統轄する部署を定め、一元的な管理を行うとともに、利益相反のおそれのある取引を行おうとするときは統轄部署への事前報告を義務付け、適切に管理しております。
◆投資先の選定
法人営業部門と資産運用・企画部門の組織を分離し、資産運用・企画部門が独立して投資判断を行う体制を構築しております。資産運用・企画部門は、法人営業部門における取引関係等の有無に関わらず、独自の判断で投資先の選定を行っております。
運営方針6:資産運用
当社は、保険契約の特性を踏まえ、将来の保険金・給付金等を確実にお支払いするため、適切にリスクをコントロールして資産運用に取組んでおります。
主な取組内容
◆ALMによる運用
生命保険会社の資産運用においては、負債である保険契約の性格を十分に把握し、有価証券等の資産と保険契約という負債を総合的に管理するALM【※】が重要であると考えております。
こうした観点から、当社では、有価証券等の資産と保険契約という負債を時価評価して、その差額である剰余が将来の金利変動等によっていかなる影響を受けるのかを定量的に分析・評価し、その適切なコントロールを通じて、将来の保険金・給付金等を確実にお支払いすることを基本方針として資産運用を行っております。
【※】ALMとは、Asset Liability Management(資産・負債総合管理)の略称です。