「お客様本位の業務運営方針」に基づく取組状況(2023年度)
1.2023年度成果指標
(1)お客様満足度
当社では、新規加入時と保険金・給付金お支払い時にアンケートを実施し、お客様から総合的な満足度を伺っております。
①新規加入時のお客様満足度
2023年度にご回答いただいた結果については、「とても満足」または「満足」とご回答いただいた方が全体の91.1%【※】になっております。
【※】5段階の選択肢のうち、上位2項目を集計したもの
2023年4月~2024年3月までに、「新規加入時アンケート」をご回答いただいた25,851件を分析しました。
②保険金・給付金お支払い時のお客様満足度
2023年度にご回答いただいた結果については、「とても満足」、「満足」、「やや満足」とご回答いただいた方が全体の89.4%【※】になっております。
【※】7段階の選択肢のうち、上位3項目を集計したもの
2023年4月~2024年3月までに、「保険金給付金お支払い時アンケート」をご回答いただいた10,155件を分析しました。
(2)保有契約件数
2024年3月末時点において、保有契約件数(個人保険および個人年金保険)は634万件となりました。
当社は1996年10月の開業以降、「お客様本位の生命保険事業」を基軸に、お客様一人ひとりのニーズにあった生命保険のご提案を行ってきました。その結果、多くのお客様からご支持をいただき、生命保険業界でも有数のスピードで持続的に成長しております。
「保有契約件数(個人保険+個人年金保険)の推移」
(注)東京海上日動あんしん生命と旧東京海上日動フィナンシャル生命の合算値
(3)お客様の声を起点とした取組み(お客様の声に基づく改善事例)
「あんしん治療サポート保険」・「あんしん治療サポート保険R」の発売および付帯する「早期治療支援特約」の新設(2023年8月) | |
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お客様の声 | 健康診断で指摘を受けた項目について、治療や精密検査をした際に発生する費用を保障する商品を開発してほしい。 |
対応 | 人生100年時代を迎え、アクティブシニアを中心に、いつまでも健康で元気に過ごしたいというニーズにお応えするため、2023年8月より、「あんしん治療サポート保険」・「あんしん治療サポート保険R」および「早期治療支援特約」を発売しました。 「早期治療支援特約」は、生活習慣病の早期発見・早期治療のサポートを目的としており、健康診断の結果、血圧、脂質、肝機能、糖代謝、腎機能のいずれかで所定の基準に該当し、治療や精密検査を目的として入院や通院をした際に給付金をお支払いします。 |
健康診断書扱の契約におけるペーパーレス契約手続きシステム「あんしん らくらく手続き【※】」の導入(2023年8月) 【※】タブレット型端末等を活用してペーパーレスで契約手続きを完結する仕組み |
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お客様の声 | 健康診断書扱で契約をする際、告知方法や健康診断書提出の利便性を上げてほしい。 |
対応 | 2023年8月より、健康診断書扱の契約(一部契約を除く)においても、「あんしん らくらく手続きによる告知」および「お客様のスマートフォン等による健康診断書の撮影・アップロード」を可能としました。 |
オンライン面談用ペーパーレス契約手続きシステム「あんしんリモートらくらく手続き【※】」における複数契約同時手続きの導入(2023年7月) 【※】Web会議アプリやお客様自身のスマートフォン等を活用してオンライン上で保険のご提案・ご説明から、ご契約申込手続きまでを完結する仕組み |
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お客様の声 | オンラインでの契約手続きの際、複数の契約を締結する時に1契約ごとに操作が必要であり、不便であると感じた。 |
対応 | 従来より「あんしん らくらく手続き」では最大4件までの複数契約の手続きが可能でしたが、2023年7月より、「あんしんリモートらくらく手続き」においても同様に、最大4件までの複数契約同時手続きが可能になりました。 |
「ご契約内容のお知らせ」の改善(2023年7月) | |
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お客様の声 | 「ご契約内容のお知らせ」の字が小さいため、レイアウトを改善してほしい。 |
対応 | 「ご契約内容のお知らせ」をより見やすく、かつわかりやすくするため、「ご契約内容のお知らせ」の冊子版を改善し、「実利用者ユニバーサルデザイン認証」を取得しました。2023年度の「ご契約内容のお知らせ」(初回7月発送)より改定後の帳票の発送を開始しました。 |
(4)『お客様をがんからお守りする運動』の取組み
がん保険を取り扱う生命保険会社としての社会的使命のもと、2005年3月から東京海上日動火災や代理店/取扱者と一体となって、認定NPO法人J.POSHを通じ乳がんの早期発見の大切さをお伝えする「ピンクリボン運動」を支援し、全国各地での街頭活動やセミナーなどがんに対する啓発活動に取り組んできました。
当社ではこの活動をさらに広げるべく、保険金等のお支払いにとどまらずお客様のお悩みに対する「総合的なソリューション」を順次ご提供していくこととし、その第一歩として2007年9月の「がん治療支援保険」発売を契機に、全社を挙げた継続的・永続的な取組みとして『お客様をがんからお守りする運動』を行っています。
【『お客様をがんからお守りする運動』の3ステップ】
<ステップ1:知ろう>
がんや生存保障分野の現状や予防法、検診など様々な知識・情報を社員、代理店・取扱者が十分に理解します。
<ステップ2:お伝えしよう>
「知ろう」で得た様々な知識・情報をお会いするすべての方へお伝えします。
<ステップ3:お役に立とう>
がんなどの予防、早期発見のための支援を行います。また、保険・付帯サービスを通じて、がんなどの病気となった場合の経済的・精神的支援を行います。
ステップ1の取組みとして、年に一度、「全国保険人活動推進会議」を開催しています。本会議は全国へ一斉Web配信を行い、“保険人”として「何としても、お客様をお守りする」という揺るぎない想いを一つにし、私たちにできることを改めて考える場としています。
第17回となる2023年度はがん罹患者ご家族の講演・医療従事者による講演等を通じて、予防医学の重要性についての知識向上とお客様に情報・保障をお届けする使命感の向上を図りました。
さらに、この運動をがんにとどまらず生存保障(医療・介護・健康支援など)分野に広げて、より大きな「あんしん」をお届けするための「生存保障革命」をスタートさせるなど「トータルでお客様にお役に立つ保険会社」を目指しています。
2019年10月より、人生100年時代と呼ばれる現代において「生命寿命」「健康寿命」「資産寿命」の延伸といった、時代とともに変化する新たな社会課題からもお客様をお守りするために、これまで取り組んできた活動を、改めて「保険人活動」【※】と名付け、取組みを加速させています。
【※】当社は、「何としてもお客様をお守りする」という社会的使命感や職業意識を持ち、保険業に携わる人(真の保険のプロフェッショナル)を「保険人(ほけんびと)」(当社の造語)と呼んでいます。
【「全国保険人活動推進会議」にて挨拶する川本社長】
2.当社元社員による金銭詐取事案の再発防止策について
2022年12月23日に公表しました当社の元社員による金銭詐取事案につきまして、お客様および関係者の皆様に多大なるご迷惑、ご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。
当社では、本事案発生に至る真因分析および真因を踏まえた同種・類似の事案の再発防止策を策定し2023年4月26日に公表しました。
それらの再発防止策の確実な実行のため、2023年5月に社長をトップとする経営プロジェクトを立ち上げ、不正行為や不適切事案の予兆把握、未然防止につなげるための態勢や仕組みづくりなど、全社一丸となって再発防止および不正行為の撲滅に取り組んでいます。
3.上記1.~2.以外の主な取組内容
(1)【運営方針1】お客様の声を活かした業務運営について
①「お客様の声」を経営に活かす仕組み・態勢
2023年度は約1万9千件の「お客様の声」をいただきました。
当社では、お客様から承った意見・ご不満・ご要望を全件確認し、商品・事務・システム等の仕組みの改善が必要と考えられるものについては、担当部門への改善提案および全社的改善策の立案・推進を行っております。また、社員や募集代理店に対するお褒めの言葉やお客様から寄せられた声に基づき対応した改善事例などを取りまとめて、社内および募集代理店に共有しております。
②「社外の視点を踏まえた改善」や「お客様アンケート」などの仕組み
2023年度は、社外の業務品質アドバイザーとのミーティングを計12回実施し、お客様向けのパンフレットや、お客様に使用いただく書類について指摘をいただき、よりお客様にわかりやすい・使いやすい内容に改善しました。
また、前述の通り、新規加入時や保険金・給付金お支払い時にアンケートを実施させていただいている他、定期的に社外業者によるアンケートから当社に対するお客様の評価をいただき、業務改善に繋げております。
③お客様の声を起点とした取組み
実施状況は「1.(3)お客様の声を起点とした取組み(お客様の声に基づく改善事例)」に記載しております。
(2)【運営方針2】保険募集について
①保険商品・サービスの開発
「あんしん治療サポート保険」・「あんしん治療サポート保険R」を2023年8月2日に発売しました。
人生100年時代を迎え、アクティブシニア(健康状態が良好なシニアや健康意識の高いシニア)を中心に、いつまでも健康で元気に過ごしたいというニーズが高まっています。
このようなニーズにお応えするため、治療が長引きやすいがん(悪性新生物・上皮内新生物)、特定心疾患、特定脳血管疾患等の8つの生活習慣病について、通院等の早期治療から重症化した場合の長期治療まで幅広く保障する新たな医療保険「あんしん治療サポート保険」を発売しました。
本商品は、「治療が長引きやすく、負担の大きい疾病にしっかり備えたい」、「長く元気で過ごせるよう、重症化してからではなく、軽度な段階から早期治療をサポートしてほしい」といったお客様からの声に対して、入院日数に応じて保障する従来の医療保険にはない、新たなコンセプトでお応えしています。
また、「使わなかった保険料が戻ってくる」タイプ(あんしん治療サポート保険R)のラインナップ、5年ごとに健康祝金をお支払いするオプション、専用Webアプリ「あんしんヘルスケア」によりお客様の健康増進や早期発見に役立つ新サービスの提供等により、お客様の健康をトータルでサポートします。
②保険商品の販売対象として想定する顧客属性の特定・公表および顧客への情報提供
当社は、お客様のニーズを捉えた商品開発を行っており、各商品について想定する顧客属性を特定しております。2023年度に発売した商品については、前述3.(2)①に記載しています。
また、想定する顧客属性を当社ホームページ、パンフレット等に記載し、お客様にわかりやすく情報をご提供しています。
③情報提供の充実に向けた取組み
当社は、パソコン・携帯型端末に様々な機能を搭載し・活用することで、お客様への情報提供の充実を図っております。
2024年1月より、「あんしんらくらく手続き」でお申込みいただく際に、マイページのご紹介や付帯サービスのご案内等のショート動画を視聴いただけるようにしました。
④契約申込手続きの利便性向上に向けた取組み
社会状況の変化によって高まるオンライン手続きのニーズに対し、対面募集と同様の品質でお応えできる仕組みとして、タブレット型端末等を活用してペーパーレスで契約手続きを完結する「あんしんらくらく手続き」を導入しております。
また、非対面によるWeb会議アプリを利用した画面越しでの保険のご提案・ご説明から、お客様自身のスマートフォン等によるご契約申込手続きまでの全てをオンライン上で完結できる「あんしんリモートらくらく手続き」も導入しております。
⑤お客様のご意向等を踏まえた商品提案
当社は、コンサルティング力に優れた募集代理店・直販社員(ライフパートナー)を育成・強化することで、お客様のご意向をしっかりと把握した上で、お客様に十分なご意向確認を行い、お客様やそのご家族をお守りすることの重要性を強く意識した商品提案活動を心がけております。
⑥契約概要・注意喚起情報等を用いた説明
「マーケットリンク(新変額保険(有期型))」は、満期保険金・解約返戻金等が変動し、払込保険料の合計額を下まわる場合があるといった投資リスクがお客様に帰属する商品です。そのため、「パンフレット」、「契約概要」および「注意喚起情報」において、投資リスクやお客様が負担する費用などの特にご注意いただきたい情報を、目立つような色やデザインを活用して随所に記載するなどの工夫を行っております。
また、パンフレットへの各種データ等の掲載に際しては、お客様にとってより分かりやすい内容となるよう適宜見直しを実施しております。
⑦ご高齢のお客様等への募集
70歳以上のお客様の場合には、ご親族の同席や複数の募集人によるご説明、複数回の募集機会を設ける等の方法で募集しております。また、「マーケットリンク(新変額保険(有期型))」の募集については、70歳以上のお客様の場合には、ご親族の同席および複数回の募集機会等を必ず設けています。
募集人に対しては、年に一度の「生命保険継続教育」にてご高齢のお客様への応対の基本的な考え方や留意点を学習する機会を設けています。
⑧募集代理店における手数料体系に関する取組み
当社の代理店手数料体系は、お客様本位の生命保険販売を実践し、多くのお客様をお守りした募集代理店を業績面から評価すると共に、お客様からお預かりしたご契約を長期に亘ってお守りしている募集代理店を評価する内容にしております。
- 当社が目指す代理店像
当社が目指す代理店像として、「お客様本位の生命保険販売を実践し、多くのお客様をお守りしたうえで、お客様からお預かりしたご契約を長期に亘ってお守りしている代理店」、「組織としてお客様をお守りする態勢を整え、永続的な成長・発展を実践する代理店」を掲げています。 - 手数料体系の概略
当社は「当社が目指す代理店像」に基づいて、募集代理店を『お客様からお預かりする保険料規模(量)』と『業務品質(質)』の両面で評価しており、お客様本位の業務運営を推進するために、「業務品質」を多面的に評価しております。
手数料体系は「『生命保険契約の募集、成立、保全・維持管理』に対する手数料」と、「『募集代理店の付加価値向上取組み』に対する手数料」で構成しており、前者は全ての募集代理店に適用し、後者はより高い水準でお客様本位の業務運営を実現している募集代理店を対象に適用しております。
なお、業務品質の要件等未充足な場合、代理店手数料は減少する仕組みとなっており、その減少影響は約30%となります。 - 募集代理店を評価する項目
(a)お客様からお預かりする保険料規模
評価 多くのお客様をお守りした募集代理店を「お客様からお預かりする保険料規模(以下「保険料規模」という)」で評価しております。 考え方 お客様に対して、わかりやすい情報提供、各種サービスやサポートの提供を実施し、安心とご満足をお届けするためには、募集代理店として募集人の採用、教育やシステム整備等を実施するとともに、適切性を確認する内部管理態勢を整備することが必要です。
こうしたお客様本位の業務運営を実現するための組織化や態勢整備に向けた投資を行うためには、お客様からお預かりする保険料が原資・基盤となるため、「保険料規模」が大きい募集代理店をより高く評価することで募集代理店の組織化・態勢整備を推進しております。(b)コンサルティング販売
評価 年間を通じ、「保険料規模」が同じ場合でも、貯蓄性商品や死亡保障の商品だけでなく、医療やがんを保障する商品もバランスよく販売する募集代理店を、より高く評価しております。 考え方 「生き方も考え方も、人それぞれ。そんなお客様をお守りする生命保険も、人の数だけあって当然。」という、当社開業以来の考え方に基づき、多様化するお客様のご要望にお応えできるよう、お客様のご意向やライフプランニングに合わせたコンサルティングを実践し、それぞれのお客様にとって適切な保障を提供することを推進しております。 (c)継続的な販売
評価 年間を通じ、「保険料規模」が同じ場合でも、一時期のみ集中して生命保険販売に取り組む募集代理店よりも、継続的に販売している募集代理店を、より高く評価しております。 考え方 募集代理店が継続的にお客様に安心という付加価値を提供し続けることにより、当社商品・サービスへの精通度が高まり、業務品質の維持・向上が図れること、保険料規模が平準化することにより、当社における事務効率も向上することから、継続的な販売を推進しております。 (d)契約維持率【※1】
評価 お客様を長期に亘ってお守りしている指標として「契約維持率」を用いており、「契約維持率」の高い募集代理店を、より高く評価しております。 考え方 募集時のお客様に対する情報提供、丁寧な説明、適切なコンサルティングに加え、契約内容変更や保険金請求、アフターフォロー時におけるお客様本位の対応がお客様のご満足を高め、契約を継続いただける結果となるという考え方に基づき、募集代理店のお客様本位の業務運営を推進しております。 - 【※1】「契約維持率」とは、どれだけの契約が有効に存続しているかを数字で表したもので、90%以上を基準とします。
(e)あんしん らくらく手続き率【※2】
評価 業務品質を測る指標として「あんしんらくらく手続き率」を用いており、「あんしんらくらく手続き率」の高い募集代理店を、より高く評価しております。 考え方 タブレット端末等を用いた「あんしんらくらく手続き」は、お客様のお申込内容にあわせて必要な画面が表示され、「ご契約にあたって大切なこと」を漏れなく、ご理解・ご確認いただくことができます。わかりやすい情報提供、不備のない契約手続きに資する取組みとして推進しております。 - 【※2】「あんしんらくらく手続き率」とは、どれだけの契約が「あんしんらくらく手続き」によって申込されたのかを数字で表したもので、70%以上を基準とします。
(f)早期解約失効率【※3】
評価 お客様に適切な募集を実施している代理店を「早期解約失効率」で評価しております。 考え方 募集時のお客様に対する情報提供、丁寧な説明、適切なコンサルティングがお客様のご満足を高め、契約を継続いただける結果となるという考え方に基づき、募集代理店のお客様本位の業務運営を推進しております。 - 【※3】「早期解約失効率」とは、どれだけの契約が契約後早期に解約・失効等になったかを数字で表したものであり、5%未満を基準とします。
(g)募集代理店の態勢整備(一定規模以上の募集代理店が対象)
評価 お客様本位の業務運営を実践する態勢を整備できているか、本社部門専任者が募集代理店と面談し、コンプライアンス推進体制・情報セキュリティ管理体制・募集プロセス管理体制等の項目から評価しております。
2022年度から生命保険協会業務品質評価の結果を当社が実施する募集代理店の態勢整備に関する評価に活用する取り組みを開始しました。考え方 組織としてお客様をお守りする態勢を整えることが「真にお客様のためになるサービスを提供すること」につながり、より多くのお客様に選ばれる結果となるという考え方に基づき、募集代理店の組織化・態勢整備を推進しております。 - 実効性を高める仕組み
募集代理店を評価する項目3.(2)⑧c. (a)~(g)は、冒頭の「当社が目指す代理店像」を実現するための具体的な項目となっています。様々な観点から評価することで、理想的な状態に近づいていくことを促しております。
また、当社では「お客様本位の業務運営」推進に向け、以下の取組みを実施しております。品質基準の深化 募集代理店を評価する項目はその品質基準を深化させております。 業務品質の確認
および向上募集代理店に対しては、手数料体系だけではなく各種点検等も通じ、業務品質の確認を実施したうえで向上に繋げるよう努めております。
(3)【運営方針3】アフターフォロー、保険金・給付金のお支払いについて
①ご契約期間中のご案内
- 「ご契約内容のお知らせ」の送付
現在の加入内容や保障内容をご確認いただき、保険金・給付金を漏れなくご請求いただくために、「ご契約内容のお知らせ」をお送りしました(定額保険は年1回、変額保険は年4回送付)。 - 契約内容変更の利便性向上に向けた取組み
個人のお客様向けに、当社ホームページやマイページで契約内容変更(住所変更、契約者貸付、保険料振替口座の変更、クレジットカード情報の変更、変額保険においては運用先の変更等)の手続きが完結できるようにしております。
2024年1月からは、変額保険以外の商品について、「あんしん らくらく手続き」の中でマイページ開設予約が可能な仕組みと、マイページの登録有無にかかわらず、スマートフォンやパソコン上で契約者貸付のご利用や登録情報の変更など、各種お手続きができるサービス「ワンタイム手続き」を導入しました。
②ご高齢のお客様等にも漏れなくご請求いただくためのアフターフォロー態勢
- コールセンターやホームページでのご案内
「ご契約時」「ご契約期間中」「保険金・給付金のご請求時」のそれぞれにおいて、加入いただいた保険内容に基づき給付金・保険金がお支払いできる場合をご案内し、お客様が漏れなく請求いただけるよう努めております。 - 家族連絡先登録制度
家族連絡先登録制度は、あらかじめご家族の情報を登録いただくことで、契約内容をご家族にご案内することができる制度です。
2022年度から2023年度にかけて70歳以上のご契約者に家族連絡先登録制度のご案内と登録用紙を送付することにより多くのお客様にご登録いただいております。 - 「指定代理請求人」による請求
保険金・給付金をお支払いできる状態になった時に、受取人が請求できない状態にあるときに備え、あらかじめ「指定代理請求人」をご指定いただくことで「指定代理請求人」が代理で請求できる制度をご用意しており、ご高齢のお客様を中心にご利用いただいております。 - ご高齢のお客様等に対するフォロー
ご高齢のお客様には「ご高齢のお客様専用フリーダイヤル」を、目が不自由なお客様には音声案内による契約内容証明作成サービスを、耳や言葉が不自由なお客様には専用窓口:手話・筆談・チャットサービスをご提供して、ご利用いただいております。
③正確かつ迅速な保険金・給付金のお支払い態勢
必要書類を郵送いただかずにWebにてご請求いただけるWeb請求の仕組みをご提供しており、ご利用いただいているお客様が増えつつあります。
事務手続きの簡素化や支払システムの構築を進めるとともに、支払査定を担う人材の育成に取り組み、正確かつ迅速なお支払いを行うための態勢づくりに努めております。
新型コロナウイルス感染症により一時期に多くのお客様からの保険金・給付金のご請求手続きを受け付けて早期のお支払いに努めた経験を踏まえ、業務プロセスの見直し等を実施し、有事に備えた体制作りを行いました。
(4)【運営方針4】運営方針の浸透に向けた取組みについて
①運営方針の理解を深める取組み
- 「業務品質アクションプラン」の策定・実施
各部署にて「お客様本位の業務運営方針」等につき年間の取組計画を策定して、適正な業務遂行に向けた取組みを実施する体制を整えています。 - 社員に対する情報提供と意見交換の実施
「お客様本位の業務運営方針」等を記載した「携帯用カード」を全社員に配布しています。
全ての部署において「『お客様本位』を実現するために、各職場で取り組めることは何か。」について考え、また発意を持った社員にて年次・経歴を問わず部署横断で「日々考えている・実践しているお客様本位の行動」について論議を行っております。
「お客様本位の業務運営方針」の制定までの背景や意義を再確認し理解を深めることができる社員向けサイトを開設しました。
②募集代理店の支援、直販社員(ライフパートナー)の指導・教育を行う担当者等に対する研修および評価
社員のオーナーシップ、専門性、実現力の向上を目指し、コンサルティング販売の理解浸透に向けた各種研修を行っています。
新たに営業部門の業務に従事する社員に対して、「新任営業店配属研修」として、ベースとなるマインドや知識、販売スキルや代理店支援スキルの講義を行っています。
「お客様本位の業務運営」により募集人に対して生命保険販売を指導する立場の社員として、常に社会やお客様に対する当社の使命を強く意識するよう、使命感・お客様志向等も含めた総合的な評価を行っております。
③募集代理店に対する研修および評価
お客様への定期的な情報提供を通じて、お客様本位のコンサルティング販売を行うことができるセールスパーソンの育成を目的として「あんしん生命トレーニングカレッジ」を実施し、2023年度は157名が参加しました。
お客様のニーズを正しくヒアリングしたうえでお客様本位の商品提案を行うことを目的とした「コンサルティング研修」を実施しました。
変額保険商品等の特定保険契約の販売にあたっては、新規販売開始時の導入研修に加えて、外部学習サイト「変額保険ひろば」や「変額実践型プログラム」を展開し、金融リテラシーの向上と共にお客様に正しく情報を伝える体制を構築しています。
当社の代理店手数料体系はお客様本位の生命保険販売を実践し、多くのお客様をお守りした募集代理店を業績面から評価すると共に、お客様からお預かりしたご契約を長期に亘ってお守りしている募集代理店を評価する内容にしております。
代理店手数料体系は「3.(2)⑧募集代理店における手数料体系に関する取組み」に記載しております。
④直販社員(ライフパートナー)に対する研修および評価
お客様の生涯にわたる良きパートナーであることを目指し、入社後2年間を初期教育期間と定め、本社研修と支社研修を通じ、オーダーメイドの生命保険販売に必要な知識と技術の習得を徹底しています。
本社研修ではコンプライアンスも含めた正しい販売活動を行うルールや考え方を学習し、支社研修では営業所長のOJTを通じた実践的なトレーニングを行っています。
変額保険商品等の特定保険契約の販売にあたっては、新規販売開始時の導入研修に加えて、各種Webセミナーや提案手法等を学ぶ選択制研修を展開することで、金融リテラシーの向上と共にお客様に正しく情報を伝える体制を構築しています。
また、お客様本位の生命保険販売を実践し、多くのお客様をお守りした直販社員(ライフパートナー)を業績面から評価するとともに、お客様からお預かりしたご契約を長期に亘ってお守りしている直販社員(ライフパートナー)を評価する体系としております。
(5)【運営方針5】利益相反等の管理について
①利益相反等に関する取組み
当社は、利益相反取引等の管理を統轄する部署を業務品質部と定め、一元的な管理を行っております。また、利益相反のおそれのある取引を行おうとするときは統轄部署への事前報告を義務付けるとともに、統括部署が、毎年、利益相反に該当する取引がないかモニタリングを実施しております。
モニタリングは、当社の子会社に対しても実施しており、当社および当社の子会社ともに利益相反に該当する取引はなく、管理体制に問題ないことを確認しております。
②投資先の選定
法人営業部門と資産運用・企画部門の組織を分離し、資産運用・企画部門が独立して投資判断を行う体制を構築しております。
資産運用・企画部門は、法人営業部門における取引関係等の有無に関わらず、独自の判断で投資先の選定を行っております。
(6)【運営方針6】資産運用について
■ALMによる運用
生命保険会社の資産運用においては、負債である保険契約の性格を十分に把握し、有価証券等の資産と保険契約という負債を総合的に管理するALM【※】が重要であると考えております。
こうした観点から、当社では、有価証券等の資産と保険契約という負債を時価評価して、その差額である剰余が将来の金利変動等によっていかなる影響を受けるのかを定量的に分析・評価し、その適切なコントロールを通じて、将来の保険金・給付金等を確実にお支払いすることを基本方針としております。
具体的には、超長期債券を中心とした運用資産を構成することで保険負債が抱える金利リスクを適切にコントロールしました。
また、資産運用収益の向上を目的として、投資適格を中心とする外貨建て資産へ一部投資していますが、金融市場にストレスがかかった場合も想定して投資規模・資産構成を設定しており、リスクをコントロールした運用を行っています。
- 【※】ALMとは、Asset Liability Management(資産・負債総合管理)の略称です。